COLUMN
AI検索の時代に、企業のホームページは必要なのか?
AIが答えてくれるなら、企業のホームページはもう必要ないのでしょうか。AI検索の変化から、企業の一次情報を届け、信用を確かめる場所としてのホームページの役割を考えます。

2026年10月27日|Web制作・運用
最近は、Googleで検索するとAIが質問に答えてくれる場面が増えてきました。
以前なら、検索結果に並んだホームページを何件か開いて、必要な情報を探していたものです。しかし今では、検索結果の画面だけで疑問が解決してしまうこともあります。
そうなると、こんな疑問が出てきます。
「AIが答えてくれるなら、企業のホームページはもう必要ないのでは?」
実際、検索の仕組みは大きく変わり始めています。ただ、だからといってホームページの役割がなくなるわけではなさそうです。
GoogleがAI検索からのリンクを増やしている
2026年10月15日、GoogleはAI検索に関する新しい改善を発表しました。
Googleの「AIによる概要」や「AIモード」で、回答の文章中にあるリンクを増やし、元のWebサイトへアクセスしやすくするというものです。
さらに、特定の手続きや正確な情報を確認する際に、公式サイトへのリンクを回答の上部に目立つ形で表示するテストも行うとしています。
これは少し興味深い動きです。
AIが質問に答えてくれるのであれば、利用者はわざわざ別のWebサイトを開く必要がなくなるようにも思えます。
ところがGoogleは、AIの回答を充実させる一方で、その回答から元のWebサイトへ移動しやすくする改善も進めているわけです。
もちろん、今回の改善によって企業サイトへのアクセスが増えると決まったわけではありません。
それでも、AIによる回答と、その情報を提供しているWebサイトの両方を重視する方向性が見えてきます。
AIにも情報の出どころが必要
そもそも、AIは企業の最新情報をすべて知っているわけではありません。
例えば、ある会社について次のような質問をしたとします。
- どのようなサービスを提供しているのか
- 料金はいくらなのか
- 対応している地域はどこなのか
- 現在もそのサービスを提供しているのか
こうした情報は、会社によって異なりますし、時間が経てば変わることもあります。
AIが外部の情報を参照して回答する場合、その情報が古かったり、不正確だったりすれば、回答にも影響する可能性があります。
そこで重要になるのが、企業自身が公開している一次情報です。
サービス内容や料金、営業時間、実績などについて、最も正確な情報を発信できるのは、基本的にはその企業自身でしょう。
企業の公式ホームページは、そうした情報を公開する場所として、引き続き重要な役割を持っています。
AI検索のために特別な対策が必要なのか?
ここで気になるのが、AI検索に対応するためにホームページを作り直したり、特別な仕組みを導入したりする必要があるのか、という点です。
Googleは、AI検索への対応について公式ガイドを公開しています。
その中で、従来のSEO(検索エンジン最適化)の基本的な考え方は、AI検索でも引き続き有効だと説明しています。
具体的には、利用者にとって役立つ独自の情報を提供すること、わかりやすい見出しや文章で内容を整理すること、検索エンジンが情報を取得できるようにすることなどです。
AI検索だからといって、必ずしも特殊な技術が必要になるわけではありません。
むしろ、これまでホームページに求められてきた基本的な品質が、引き続き大切だということです。
ただし、適切に制作・運用していれば必ずAIの回答に採用されるというものでもありません。この点は従来の検索結果と同様です。
これからは「何を掲載しているか」がさらに大切になる
企業のホームページというと、デザインや見た目の印象が注目されがちです。
もちろん、見やすく使いやすいデザインは大切です。
しかし、どれほど美しいホームページでも、掲載されている情報が何年も前のままだったらどうでしょうか。
すでに終了したサービスが掲載されていたり、料金や営業時間が古かったりすれば、訪問した利用者が困ってしまいます。
これは人間がホームページを読む場合だけでなく、AIがWeb上の情報を参照する場合にも考慮したい問題です。
今後は、ホームページを一度制作して完成とするのではなく、企業の現在の姿を正確に伝え続けることが、より重要になるのではないでしょうか。
また、どこにでも書かれているような一般的な説明だけでなく、その会社ならではの実績や経験、具体的なサービス内容を掲載することにも意味があります。
AIが一般的な知識を説明できるようになったからこそ、個々の企業が持っている独自の情報には価値があるはずです。
そもそも、ホームページのない会社から商品を買いますか?
ここで、AI検索とは少し違う角度から考えてみましょう。
例えば、初めて知った会社の商品やサービスに興味を持ったとします。
購入する前に、その会社がどんな会社なのか、少し調べてみたくなりませんか。
会社名で検索しても公式ホームページが見つからない。会社概要も、所在地も、問い合わせ先もよくわからない。
もちろん、ホームページがないからといって、信用できない会社だと決まるわけではありません。
それでも、初めて取引する相手であれば、少し不安を感じるのではないでしょうか。
逆に、公式ホームページに会社の情報や事業内容、実績などがきちんと掲載されていれば、安心して問い合わせたり、購入を検討したりするための判断材料になります。
ホームページがあるだけで信用されるわけではありませんが、信用できるかどうかを確かめる場所としての役割は、今も変わっていません。
AIが商品やサービスを見つけてくれる時代になっても、最後にその会社を信用するかどうかを判断するのは人間です。
この役割は、AI検索が普及しても簡単にはなくならないのではないでしょうか。
ホームページの役割は、なくなるのではなく変わっていく
これまで企業のホームページは、検索結果から訪問者を集めるための場所として考えられることが多くありました。
もちろん、その役割がすぐになくなるわけではありません。
ただ、これからは検索結果を経由して人間が訪れるだけでなく、AIが情報を探す際の参照先になることも意識する必要がありそうです。
一方で、AIの回答だけで満足する利用者が増えれば、従来のようなアクセス数を維持することが難しくなる可能性もあります。
だからこそ、単に訪問者を増やすことだけでなく、正確な情報を届け、興味を持った人が安心して問い合わせや相談に進めるホームページを考えていく必要があります。
ホームページが不要になるのではなく、ホームページに求められる役割が変わっていく。
キューブライツでは、そう考えています。
AI検索への対応も、特別な流行に振り回されるのではなく、情報が整理され、更新しやすく、利用者にとってわかりやすいホームページを作ることから始めたいと思います。
